私の愛したSF外伝 「サマータイムマシン・ブルース」

年明けに山ほど観ていた映画の1本を、SF的生活で無理やりご紹介。本広克行監督、「サマータイムマシン・ブルース」

おかしなタイトルだ。「サマータイム・ブルース」ならエディ・コクランかThe Who か、さもなければ渡辺美里だろう。「タイムマシン」ならもちろんウェルズだ。それが合体しているということは、ピート・タウンゼントの風車弾きを動力に使ったタイムマシン?いやいやそんなバカな。

これを手に取ったのは、たまたま邦画が観たいような気分だった、「博士の愛した数式」はレンタル中だった、借りようと思っていた「笑の大学」の隣にあった、そしてタイトルが変だった、それだけだ。それだけだったのに、こうやってちゃんと出会ってしまうから人生は面白い。

話はとある大学の夏休み、グダグダな毎日を過ごすSF研究会の男子学生5人とカメラクラブの女子学生2人の前に、突如としてタイムマシンが出現する。軽い気持ちで乗ってしまったは良いものの、過去を変えると未来が変わり、このままではみんな消えてしまう!?ナンテコッタ、なんとかせねば、、、というドタバタ喜劇。もともと劇団「ヨーロッパ企画」の舞台を映画化したということで、たしかに表現は小劇場的で、それだけに先の展開は読みやすいのだけれど、それで面白さが失われるなんてことはもちろん無い。これはセンスオブワンダーを売りにするSFではなく、れっきとした青春群像劇なのだ。(じゃあここで紹介するなって?)

SFが何の略かも知らないSF研。何故か野球のユニフォームを持っているSF研。僕はSF研に居たことは一度もないけれど、こういうグダグダ感は何故だかよおく知っている。まず思い浮かんだのはゆうきまさみの漫画「究極超人あ~る」で、これはじっさい雰囲気がそっくりなのだけれど、それよりも僕が居た演劇部だって、同じことではなかったか。毎日同じメンバーと顔をつき合わせ、グダグダとつるんではくだらない遊びに夢中になり、ときにはロクでもないことをしでかして、なんとも非生産的、でもとにかく毎日がすごく面白かった。映画を観ていると、そういう大事なことがにやにや笑いと共によみがえってくる。そういうことが大事だったということをまた思い知らされる。そしてついでに、僕が映画を観ると思い出しマシーンになることがよく分かる。あ、だから「タイムマシン」で「ブルース」なのか。なるほど。

俳優に惹かれて借りたわけでは決して無いのだけれど、上野樹里と真木よう子の取り合わせは反則的にハマっていると思う。主役の瑛太くんは他のメンバーのハジケっぷりに喰われてしまって、頑張ったわりにはどうにも影が薄いのだけれど、最後の「苗字って、変えられるのかな?」には、予想は出来ていてもやはりくらりときてしまった。(ただし、僕はこのセリフの前に別のオチを思いついて、そちらのほうが個人的には気に入っているのだが)ついでに自分が佐々木蔵之介好きだということを確認。あ、どうでもいいか。

ええと、最後に、この映画、最初から最後までとにかく面白かったのだけれど、何度も言うけれどネタが劇場的なので、舞台ならきっともっと面白いんじゃないかということをずっと考えながら観ていた。(というかいちいち頭の中で舞台に変換していた。むしり取った昔とった杵柄だろう)ヨーロッパ企画の舞台もDVD化されているようなので、そちらも必ずチェックしようと思います。

「サマータイムマシン・ブルース」 (日) 2005
青春とは、グダグダな部活動のことである! ★★★★☆


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by k_g_zamuza | 2007-01-06 23:57 | SF的生活


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